キミと、世界の果てまで。



あたしはクロスを構え、レンは翼をはためかせ、寛司はポキポキと手を鳴らしている。


視線の先には、たくさんの人の群れ。



もう、傷付け合って欲しくない。

欲望のままに、自分の身体を、心を、犠牲にして欲しくない。



だから…




「思いっきり暴れてこようぜ!」




レンの言葉を合図に、あたし達は人混みの中へと突っ込んでいく。


もう、迷いなど無かった。




「さっさと目覚ましやがれ!今のお前らは大事な事忘れてるだろうがっ…!」




寛司は襲い掛かってくる人々に対して、拳と蹴りを炸裂させている。


胸に拳をのめりこませ、後ろから襲おうとしている人は、回し蹴りで応戦。


何だか、ドラマでありそうな喧嘩のワンシーンみたいだ。




「俺に勝とうなんていい度胸してるよな」




レンは銀色の翼をはためかせ、大空高く舞い上がる。その姿は、異世界の騎士そのもの。




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