キミと、世界の果てまで。



そして、時には翼で風を起こし、時にはソードの柄の部分を使って、人々を淡々と気絶させていく。


レンの華麗な動きっぷりに、ついつい見とれてしまいそうだ。



そして、あたしは




「好きってキモチを、誰かを想う気持ち、本当に忘れちゃったの…?」




クロスを振りかざして、必死に襲い掛かってくる人々を倒していた。


危ない!と感じた時にはバリアも使って、クロスと共に全力を尽くす。


血なんて絶対に流させない、少し眠ってて貰うだけ。その間に、あたしがチャームを封印してみせるから。



そんな事を時々叫びながら、あたしは境内中を駆け回っていた。でもやっぱり、操られている人の数が半端無く多い…。


町中、いや世界中もの人々がこの神社内には居るんじゃないか、そう思わせるくらいの人の量。


初めは無我夢中でクロスを振りかざしていたけれど、一向に減る事の無い人の数の多さに、あたしは焦っていた。



早くチャームの在り処を掴みたいのに、このままじゃ埒が明かない―――!



焦りは動きに支障をきたしてくる。


早く終われ、そう思う反面、動き方や戦い方が雑になっていた。




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