キミと、世界の果てまで。



ドン…!ドン…!と、クロスを人々に叩きつける音が、あたしの脳内を麻痺させていく。


いつこの音から解放されるのだろうか、そう思うと、クロスを握る手首の動きが鈍くなっていく。


ハアハア…と息も荒くなっていき、あたしはかなり精神的に追い詰められていた。



―――だから、注意力が散漫になっていた。


背後から包丁を振りかざした十歳くらいの男の子が、あたしに襲い掛かってきている事に、気が付かないなんて…。




「チャームは…何処…なの…?」




振り回してばかりのクロスに、戦いながらそう問いかけた時―――切羽詰ったような、寛司の声が聞こえた。




「危ない、未来っ…!」



「え…?」




背中の部分に、ひんやりとしたモノが当てられていくのが分かった。


ゾクン…と寒気がする。


しまった、と思い、慌ててその物体から遠ざかろうとした時だった。




「ミライ―――!」




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