キミと、世界の果てまで。
あたしの傍で倒れているレンは、目を閉じたまま動かない。どんどん体温が冷たくなっていく気がする。
息はかすかにしているが、どれだけ叫んでも、揺さぶっても、レンの固く瞑った目は開く事は無かった。
刺されそうになっていたあたしを護ってくれたレン。
あんなに綺麗だなと思っていた翼は萎(しお)れ、ソードを握っている手も力ない。
あたしがしっかりしていなかったから、レンはあたしの身代わりになってしまった。
何も考えずに戦っていたら、このくらいの攻撃なんか余裕で交わせていたのに。
「許さない…」
あたしの大切な、大好きな人を、傷付けたチャームを。
どんな理由があったって、何も罪の無い人々を利用して、人間同士でこの世界を破滅させようとしているチャームを、
「あたしは絶対に許さない…!」
目が最大限に開くと、モノクロだった世界は色を取り戻し、動きを止めていた風景は元に戻っていく。
寛司はあたしの殺気に、息を飲んでいた。
「未来…?」
「許さない…絶対に許さない!」
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