キミと、世界の果てまで。
クロスを振り回す手に、力が入る。
あたしの前に立ちはだかる人々は、次々と気を失い、バタンと倒れていく。
境内中を走り回りながら、あたしは無我夢中でクロスを振り回していた。
―――みんな、早く思い出してよ。
人を愛する事が、想い続ける事が、それだけ綺麗で素晴らしい事かを。
愛しすぎるあまり、時には壁にぶつかったり、悩んだりもするけど。
それでもこのキモチは、お金には換えられない、生きていく上で大切なモノなんだよ?
「お願い…」
だからもう、人間同士で傷付けるマネは止めようよ。血を流すのはこれで終わりにしようよ。
あたしはそんな姿の地球には居たくないもん。みんなもそうでしょ?
「思い出して…人を愛する気持ちを―――!!」
その思いを声に出しながら、クロスを思いっきり振りかざした瞬間、
―――チャームに操られていた人々から放たれたまばゆい程の光が、あたしの身体を貫いた。
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