キミと、世界の果てまで。



苦しむように呻き声を出している人々が、続々と地面に倒れていく。


その光景に、あたしと少し離れた所に立っている寛司は、目を見開いていた。




「どういう…事…?」



「分かんねぇよ…。だけど、アイツらから発せられている光が、全て空中に集められてる…」




寛司が指さす先には、光で出来た球体らしきモノ。


人々が放っている光が上空に集まり、あたし達を太陽のように照らしている。


もしかして…




「これが赤のチャームの正体…?」




赤のチャームは、人々の“愛する心”を奪い、感情を失った人間を創り出すチャーム。


という事は、チャームは人々の心の中に存在しているという事実を生み出す。



だから、いくらチャームを探しても見つける事が出来なかったんだ。


チャームは、人々の心の中に潜んでいたのだから。



そして、チャームに犯されていた心が全て集まると、




「完全な形の赤のチャームとなり、封印する事が出来るんだね…」




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