ヤンデレ彼氏に監禁されて
愛でるその手――指は、頬を伝う泥のよう


いや、それよりももっとまがまがしくて


許された私に待つのは、やはり悪夢だけだった



指が


頬を伝って


唇に


赤い指
爪先には、ジェル状の塊

泥を掻き回した後のように、『落ちきれなかった残留』がそれだった


『や、やだっ!や――ああ!』


想像したことには、悲鳴を再開するしかなかった


彼の性癖


『始める時』は、必ず自分の指を私にくわえさせるというそんな


『そんなこと』を彼は、いつものようにしていた


脅しでも、怒っている訳でもなく、ただ純粋に彼は私を可愛がろうと


――『愛そう』とするカタチがこれだった


紐で縫い付けたように唇を閉じようが、簡単に隙間に潜り込む


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