ヤンデレ彼氏に監禁されて
唇という壁が崩れ、今度は、歯で壁を作るが


それを道筋とするように、奥歯まで指を入れられた


『――――』


声にならない音を出す

歯を閉じたままの悲鳴は化け物めいて


それ以上に、異常なのは彼だった


考えが分からない
不安定すぎて、確信というものもなく


何がしたいか予測出来ないから、何をされるのかという恐怖が芽生える


逃げたい、嫌だ嫌だ嫌だ――!


そう思って、首を振り、手を振り暴れたのが――いけなかった


自分を呪う瞬間


歯にばかり力を入られなく、開いた


ごく僅か
それを見逃さない彼の指は舌の上に乗った


そうして、なぞる指は


全身に鳥肌を与えた


血の味
そんなのはよく分かる


けど、そこに交わる『苦味』


粘り気がある液体の中に、混じる『固体』


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