感方恋薬-かんぽうこいやく-

第4節

と、言う訳であたしも慌てて走り出したが、幸の姿は既に校舎の中に消えており、あたし一人が晒し物の様に、校庭から学校の玄関までの距離を、全力疾走していた。


だが、無情に授業開始の鐘も成り終わり、あたしは遅刻を覚悟した。


しかし、担任の教師が少し遅れて教室に来た事で遅刻は記録されなかった。


テレビの占いも意外と莫迦に出来ないでは無いか。


         ★


無事に一時限目を終えて休み時間に成った時、あたしの席の処まで、クラスメートの紀美代がやってきた。
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