破   壊
 単純明快。通り魔殺人的に襲ったのさ。

 人間、いつかは一人になる瞬間が一日の中である訳でしょ?

 そこを狙えば訳は無いものなんだ。

 偶然を装って校長に近付く、校長は僕を自分の所の生徒だから、気を許してる。

 五分後、自分の運命がどうなるかも知らないでね。

 校長が一人になる瞬間を狙う迄が大変だった。

 忍耐と根気が必要だったけど、その分、美しい殺し方が出来たと思うよ。

 まあ、後々のそれと比べると、まだ幼稚な点があったけど、それは仕方無いでしょ。何せ、初めてのちゃんとした人殺しだったんだから。

 ただ惜しむらくは、死体が直ぐに見付かった事だね。

 やっぱり少し気が焦ってたのかも知れない。

 家の者から警察に捜索願いが出されて、三日目に死体発見だから、ちょっと早過ぎるでしょ。

 それを思うと、中学の時の方が完璧だったんだな。

 だって、彼女の死体、綺麗に下水処理場で処理されたのか、結局は行方不明のまま、迷宮入りだもん。

 無意識だったからこそ、完璧に行えたのかもね。

 だから、母親の時は、そこを意識したんだ。

 自分の気持ち、心を無にする。

 事を行う部分は、あらゆる面から用意周到に準備するけど、実行する精神は何も考えない。

 まさしく無の境地ってやつさ。

 母親の時の事?

 今話さなきゃ駄目?

 長くなるし、それより、もっと興味持ちそうな話があるよ。

 篠塚先生、行方不明になってる筈なんだけど……。





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