破   壊
 聞きたくない?別に興味が無ければいいけどさ。

 ほら、やっぱり知りたがってる。

 篠塚先生はね、僕にとって、生まれて初めて大切な人だって思えた人なんだ。

 転任先の高校を捜すのは簡単だったよ。

 でも、いきなり会いには行かなかった。

 やる事があったからね。

 そう、校長を抹殺する事。

 先ず、それを片付けてからじゃないとさ、篠塚先生に会ったとしても、心から楽しめないし。

 だから、篠塚先生と会ったのは、高校三年になってからだったんだ。

 校長を殺してから直ぐじゃなかったのかって?

 そこは慎重にやらなきゃ。

 ひょんな事から、校長殺害と関連付けられたら、篠塚先生にも迷惑が掛かるかも知れないしね。

 でも、篠塚先生の事は、ずっと見てたよ。

 通勤の時や、学校が休みの時は何処に遊びに行くかとか、交遊関係とかもいろいろ調べた。

 教師ってさ、私生活と学校では全然別人になっちゃうって人間が多いけど、篠塚先生は違った。

 僕は、この人だけは別だって睨んでたけど、勘は当たってたね。

 慎ましやかで、派手なところは一つも無く、教育というものに自分の全てを捧げていた。

 幾つかって?ああ、篠塚先生の歳ね。

 二十五、いや六になっていたかな……

 そんな事知ってどうすんの?

 好きだったのかって?

 それ、恋愛感情を指すんだったら、僕は怒るよ。

 篠塚先生をそういう下世話な対象物にしちゃいけないんだ。

 下らない話をするんだったら、もう話すの止めるけど……

 篠塚先生はね……

 神のような存在だった……





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