月と太陽Ⅱ
玉座の隣に立った男は「ほぉ」と一言言うと続けた。
「キト、いや本名で呼んだ方がいいですかな?」
その男は意地悪そうにキトに言った。
「いや、コードネームのままでいい」
キトは低い声でそう言った。
「それよりも……」
と今度は広間の中央にいた女の子が声をもらした。
年は十五歳ぐらいだろうか。
「王の側近であるロメ様が早く情報を言うのが先じゃありません?」
クスクスと笑って少女が言う。
すると少女に言われたロメが「ぐっ」と歯をきしませてその少女をにらんだ。
すると玉座に座っているルシアがくいっと首を上げた。
それを見たロメは頷くと広間にいる四人全員を見渡しながら言う。
「月がこちら[太陽]に戦争を仕掛けてくると知ってみんな、怯えております」