月と太陽Ⅱ
「国民が?」
ルシアがロメを見ながら言った。
「いえ、国の者にはまだ知らせておりません。怯えているのはこのアルヌ城の者達です」
それを聞いたキトとは反対側の壁に立っている別の男がクックッと不気味に笑いながら言った。
「月よりも戦力があるのはこちらだろう?怯える必要などない」
手に負った深い傷跡が見える。
いつも真っ黒な手袋をしているのに今日はしていなかったのだ。
ルシアはその男を見つめてニヤッと笑いながら言った。
「それもそうね。それにこちら[太陽]には"赤い月"がついている事ですしね。赤い月のリーダーであるあなたなら誰よりも自信があるのは当然ね、ホルスト」