君を愛す ただ君を……
「レイちゃん、海東君に今日のコンパの話をしたんだよね?」

あたしはレイちゃんの腕を掴んで、目を輝かせた

「あ…うん。とうとうお前もコンパで男を見つける年になったか…って突っ込まれて頭を引っ叩いたけど」

「それだよっ! 海東君がヤキモチ焼いてるんじゃないの?」

「まさか。有り得なーい」

レイちゃんのテンションががくんと落ちた

レイちゃんはまたメールを打ち始めた

「『振られるどころか研修医にモテモテで、レイちゃん困っちゃーう』っと」

レイちゃんが送信ボタンを押した

「だから…甘えるメールだってば」

「あ、そっか。つい、いつもの調子で送ってしまった!」

レイちゃんがこめかみをポリポリと掻いた

携帯の液晶が光ると、メールが届いた

「『22時から仮眠に入る。少しなら相手してやれるぞ。差し入れを忘れるな』だって。誰が行くかっつうの。私だって、明日仕事なんだから」

レイちゃんがぱたんと携帯を閉じる

レイちゃんの顔が嬉しそうに微笑んでいた

「行くんでしょ?」

「行かない」

「本当に?」

「…行くけどぉ。すぐに帰る」

レイちゃんが、ぱたぱたと手で頬を仰いだ

「24にもなると、恥ずかしくて素直になれないのよっ」

レイちゃんが言い訳をするように、大きな声を出した

「あたしも24だよ」

「陽菜だって素直じゃないしぃ」

レイちゃんがひとさし指であたしのおでこをツンと押した

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