ハルアトスの姫君―君の始まり―
「見える。」

「なら、そうだと思ってくれて構わないよ。」

「おれはお前が知ってたかどうかが知りたいんだ。」

「それを知ってどうなるの?」

「お前の素性分析に役立つ。」

「なるほど。そうだね…俺はシュリ様ほどは分かっていなかった。」

「え…?」

「つーことは分かってる部分も少なからずあったんだな?」

「何か複雑な呪いにかかっているということは分かってたよ。」

「キース…最初から分かってたの?」


不安げな声で話し始めたのはジアだった。
キースはジアの方を向いた。


「シュリ様の言う通り、全て最初から分かっていたわけじゃないよ。
出会った最初の頃は俺、満身創痍だったしね。
だから本当に少しずつだよ。シュリ様ほどは分からなかった。
でもねジア。ジアがそれを隠したがってることは分かっていたよ。」


とても複雑な気持ちだった。
知っていてくれて、それでも傍にいると言ってくれているのだとしたら…それほど心強いものはない。
しかし、それと同時に怖くもある。
もうすぐ猫に変わる自分、そしてヒトに戻るミア。
その姿を晒すことが…ただ、怖い。
…何も言えない。何も言葉が出てこない。


「…呪いはいつからなんだ?」


沈黙を破ったのはシュリの妖艶な声だった。

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