ハルアトスの姫君―君の始まり―
「物心ついた時から。満月の1日だけ、ミアが猫から人間に戻ってあたしは猫になる。
これを知ってるのはクロハとクロハの家族だけ。」

「…なるほど。では何故そのような呪いにかかったのかも分からないのだな?」

「そう。」

「…それは実に厄介だな。」

「本当にね。」

「…そして今日は巡り合わせたように満月、と。」

「あと数時間もすれば、あたしは猫に、そしてミアは人間になる。」

「その姿を拝ませてはもらえるのか?」

「見て何か分かる?」

「分かるとも言い切れないが、分からないとも言い切れない。」


本当にシュリは嘘を吐かない。答えを曖昧になどしない。


「じゃあ…部屋に戻る必要はないわね、ミア。」

「にゃー…にゃにゃ?」

「大丈夫よ。バスタオルさえあれば身体は隠れるわ。」

「にゃー…。」

「あたしは猫になるだけだからいいけど…ミアは嫌…?」

「みゃみゃー。」

「え、違うの?あ、あたしは大丈夫だよ。じゃあそうしよう。」


驚いたような表情を浮かべていたのはシュリだった。


「…話せるのか?」

「うん。だって…呪いは二人で半分こだから。」

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