ハルアトスの姫君―君の始まり―
大きな時計が12時を告げる鐘を鳴らす。
ゴーンゴーンと重い音が部屋に響き渡った。


ジアの指先、足先が次第に光を帯びていく。
それはミアも同様だった。
その光は身体中へと広がっていき、全身を包む。


ジアの身長がするすると縮んでいき、それに伴ってミアの身長は伸びていく。
そのスピードは魔法としか言いようのないほど速い。










光が全て消え去った時
―――金の猫が地面に両足をついて姿勢正しく座っていた。


―――同じく、銀の長い髪の女性は白く清らかな肌を晒していた。


シュリはそっとミアに近付き、バスタオルを全身に巻いた。
クロハは背を向けていたし、キースもジアに言われたことを守り、目を瞑っていた。


「…すまんな、ミア。肌を晒すのは勇気が必要だっただろう?」

「いえ、そんなことはありません。」

「この姿のお前には、はじめまして、と言うべきか?」

「お話するのは初めてですね、シュリ様。」

「呼び捨てで構わない、と言ってもお前には無駄なような気がする。」

「そうですね。そのお見立ては正しいかと思います。」

「ミア、いいから部屋で着替えて来い。」


ぶっきらぼうに、そしてどこか不機嫌そうにクロハが言った。

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