ハルアトスの姫君―君の始まり―
「なんでおれとジアなんだよ!」

「お前たちなら越してきた新婚のようにも見えるだろう?
私とクロハではつり合いが取れん。」

「はぁ?」

「クロハよりミアがいい!」

「ミアではお前の暴走を食い止められんだろう。
クロハならお前が多少ミスをしてもなんとかできる。なにせ言葉を発することができるからな。
私はお前と違って情報収集においてミスはしない。それゆえミアを連れていく。
…文句はないな、ジア?」


再びこう問われては嫌とも駄目とも言えない。
頷く以外に選択肢はない。


「…わ、分かりました。」

「くれぐれも時間にだけは気を付けるように。
それと、目立つ行動は控えるんだ。分かったな?」

「分かりましたっ!行こう、クロハ!」

「…ったく、暴走すんなよ、ジア。」

「分かってるってば!」


あたしは先に家を出た。


残ったミアとシュリは顔を見合わせた。


「良い人選だっただろ、ミア?」

「にゃあー。」

「残念ながらお前たちにかけられた呪いの効力は強すぎる。
…普通ならば動物にも触れればその声が届くのに、お前の声は何かに故意に歪められたかのように届かない。…雑音まみれだよ。」

「…にゃ。」

「さて、私達も行こうか、ミア。肩にでも乗るか?その方が自然だ。」

「にゃあ。」

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