ハルアトスの姫君―君の始まり―
焦げ茶色の瞳を見つめる。
揺らぎを見せなかったその瞳が、一瞬だけ揺らいだ。
すうっと一息吐いて、空気が再び震えだす。
同じ口から聴こえる音が違う。
「…どうして違うと思いましたか?」
「見た目は完璧に同じ…。
だけど〝手〟は違ったわ。キースの手はそんな風に触れない。
…変化の魔法?解いてもらえる?」
「よくご存知で。僕のこと、覚えていますか?」
「…ええ。あなた、シャリアスね。」
そう言うとゆっくりと光が〝キース〟の身体を包む。
光が完全に消え去った時、水色の髪がさらりと揺れた。
「覚えていただけていたようで光栄です。
お一人でハルアトスへ…ということはないですよね。お仲間はどちらへ?」
「あなたに言う必要があるかしら?」
「ない、ですね。」
「それよりも、本物のキースはどこに?」
「…それこそあなたに言う必要がありますか?
というかそろそろ気付きましょう。
あなたの後ろにいるんですよ。」
「え…?」
振り返ろうとしたその瞬間、両腕を掴まれ捻り上げられた。
「…っ…!」
手の感触が〝キース〟だけれど、その奥は冷たい。
揺らぎを見せなかったその瞳が、一瞬だけ揺らいだ。
すうっと一息吐いて、空気が再び震えだす。
同じ口から聴こえる音が違う。
「…どうして違うと思いましたか?」
「見た目は完璧に同じ…。
だけど〝手〟は違ったわ。キースの手はそんな風に触れない。
…変化の魔法?解いてもらえる?」
「よくご存知で。僕のこと、覚えていますか?」
「…ええ。あなた、シャリアスね。」
そう言うとゆっくりと光が〝キース〟の身体を包む。
光が完全に消え去った時、水色の髪がさらりと揺れた。
「覚えていただけていたようで光栄です。
お一人でハルアトスへ…ということはないですよね。お仲間はどちらへ?」
「あなたに言う必要があるかしら?」
「ない、ですね。」
「それよりも、本物のキースはどこに?」
「…それこそあなたに言う必要がありますか?
というかそろそろ気付きましょう。
あなたの後ろにいるんですよ。」
「え…?」
振り返ろうとしたその瞬間、両腕を掴まれ捻り上げられた。
「…っ…!」
手の感触が〝キース〟だけれど、その奥は冷たい。