ハルアトスの姫君―君の始まり―
混じり合った涙が床に溶けた、その瞬間。
途端に床が光を帯びる。
「っ…な…なんだこれは…?」
「穴が…。」
涙が落ちたその場所に黒い穴ができている。
その穴は次第に大きくなり、風を吸い込んでいる。
「シュリ、貴様!何をした!」
ジョアンナの荒れた声が広間に響く。
「…何かできる状況ではないことくらい分かるだろう?」
「くっ…!」
「シュリ!」
「シャリアス…!」
穴に飲み込まれるシャリアスの手を引いた。
しかしその瞬間、バランスを崩し穴に飲み込まれる。
握ったその手をシャリアスが強く引いた。
そしてその胸に強く抱かれる。
「シャリアス…。」
「…どこに行きつくのかは分からないけれど、離れ離れになるのだけはもう御免だからね。」
「…そうだな。私ももう充分だ。」
私はそっとシャリアスの胸に顔を埋めた。
懐かしい香りが漂ってきて、あの頃に戻ったかのような気持ちになる。
シャリアスの右手が私の頭を優しく撫でた。
そして左手は火傷が痛々しい私の手をぎゅっと握りしめていた。
途端に床が光を帯びる。
「っ…な…なんだこれは…?」
「穴が…。」
涙が落ちたその場所に黒い穴ができている。
その穴は次第に大きくなり、風を吸い込んでいる。
「シュリ、貴様!何をした!」
ジョアンナの荒れた声が広間に響く。
「…何かできる状況ではないことくらい分かるだろう?」
「くっ…!」
「シュリ!」
「シャリアス…!」
穴に飲み込まれるシャリアスの手を引いた。
しかしその瞬間、バランスを崩し穴に飲み込まれる。
握ったその手をシャリアスが強く引いた。
そしてその胸に強く抱かれる。
「シャリアス…。」
「…どこに行きつくのかは分からないけれど、離れ離れになるのだけはもう御免だからね。」
「…そうだな。私ももう充分だ。」
私はそっとシャリアスの胸に顔を埋めた。
懐かしい香りが漂ってきて、あの頃に戻ったかのような気持ちになる。
シャリアスの右手が私の頭を優しく撫でた。
そして左手は火傷が痛々しい私の手をぎゅっと握りしめていた。