ハルアトスの姫君―君の始まり―
「き…きもちわるいっ!」
「な、なんできずがなくなっちゃうんだよ!」
「おまえ、きもちわるい…。」
「だれだ!おまえ!」
一瞬にして豹変した態度に、幼かった心は簡単に傷付いた。
重ねられる〝気持ち悪い〟という拒絶の言葉。それに言い返せない自分。
何よりも自分が一番〝自分〟を分かっていなかった。
その場から、一目散に逃げ出した。
後ろは振り返らなかった。
「はぁっ…はぁっ…っく…うっ…。」
バタンとドアを閉めた瞬間に足の力が抜けた。
さっきまで痛かったはずの膝に何の痛みも感じない。その代わり、感じた膝の痛みとは比べ物にならないほどに胸が痛かった。痛くて痛くてたまらなかった。
あまりに痛くて耐えられなかったからなのだろう。俺は泣きに泣いた。
数分後、帰って来た母さんは、全てを悟ったかのような声で言った。
「…外に出たのね?」
頷くこともできなかった。でも違うと言ったら嘘になる。だから首を横にも振れない。
すると、母さんの香りがゆっくりと俺を包んだ。優しい香りがして、少しだけ痛みが和らいだ。
「…泣き止んだら、少し大事な話をしましょうか。」
俺の身体を軽々と抱き上げ、泣き止まない俺の背中をさすりながら階段を上る。
部屋に着いて、俺をベッドの上にそっと下ろした。それからもう一度、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「な、なんできずがなくなっちゃうんだよ!」
「おまえ、きもちわるい…。」
「だれだ!おまえ!」
一瞬にして豹変した態度に、幼かった心は簡単に傷付いた。
重ねられる〝気持ち悪い〟という拒絶の言葉。それに言い返せない自分。
何よりも自分が一番〝自分〟を分かっていなかった。
その場から、一目散に逃げ出した。
後ろは振り返らなかった。
「はぁっ…はぁっ…っく…うっ…。」
バタンとドアを閉めた瞬間に足の力が抜けた。
さっきまで痛かったはずの膝に何の痛みも感じない。その代わり、感じた膝の痛みとは比べ物にならないほどに胸が痛かった。痛くて痛くてたまらなかった。
あまりに痛くて耐えられなかったからなのだろう。俺は泣きに泣いた。
数分後、帰って来た母さんは、全てを悟ったかのような声で言った。
「…外に出たのね?」
頷くこともできなかった。でも違うと言ったら嘘になる。だから首を横にも振れない。
すると、母さんの香りがゆっくりと俺を包んだ。優しい香りがして、少しだけ痛みが和らいだ。
「…泣き止んだら、少し大事な話をしましょうか。」
俺の身体を軽々と抱き上げ、泣き止まない俺の背中をさすりながら階段を上る。
部屋に着いて、俺をベッドの上にそっと下ろした。それからもう一度、ぎゅっと抱きしめてくれた。