ハルアトスの姫君―君の始まり―
あれは剣術の訓練場からの帰り道だった。
「やっ…やめっ…!」
「うるせぇ!」
何やら不穏な音がして、森を進めば強姦されている女性が目に入った。服を半分以上破かれている。かなり肌が露わとなっていて、目もあてられなかった。
極力人間に関わるのは避けていた。いつ何時避けられるか分からない。ならば最初から関わらない方が楽でいい。傷付けられるのも傷付くのも嫌だった。
それなのに、何故か咄嗟に〝助けなくては〟と思った。なけなしの良心が疼いた。
「…離せ。嫌がっている。」
彼女からは目を逸らし、相手の男に剣先を向ける。
「少しでも動けば刺さる。手を離せ。」
背後から首に剣をあてる。男の動きはピタリと止まった。
「…離せ、と言っている。」
「ひぃ!」
男は情けない声をあげた。そして彼女から手を離す。
「立ち去れ。もう二度と、彼女に関わるな。」
「はいぃ!」
男は一目散に逃げ出した。それを見届けて、俺は背中のマントを外し、彼女の方を見ないようにして投げた。
「その姿では家にも帰れないだろ。返さなくていい。使え。」
「っ…。」
それだけ言って立ち去った。この時はこれでもう二度と会うことはないとそう思っていた。
「やっ…やめっ…!」
「うるせぇ!」
何やら不穏な音がして、森を進めば強姦されている女性が目に入った。服を半分以上破かれている。かなり肌が露わとなっていて、目もあてられなかった。
極力人間に関わるのは避けていた。いつ何時避けられるか分からない。ならば最初から関わらない方が楽でいい。傷付けられるのも傷付くのも嫌だった。
それなのに、何故か咄嗟に〝助けなくては〟と思った。なけなしの良心が疼いた。
「…離せ。嫌がっている。」
彼女からは目を逸らし、相手の男に剣先を向ける。
「少しでも動けば刺さる。手を離せ。」
背後から首に剣をあてる。男の動きはピタリと止まった。
「…離せ、と言っている。」
「ひぃ!」
男は情けない声をあげた。そして彼女から手を離す。
「立ち去れ。もう二度と、彼女に関わるな。」
「はいぃ!」
男は一目散に逃げ出した。それを見届けて、俺は背中のマントを外し、彼女の方を見ないようにして投げた。
「その姿では家にも帰れないだろ。返さなくていい。使え。」
「っ…。」
それだけ言って立ち去った。この時はこれでもう二度と会うことはないとそう思っていた。