ハルアトスの姫君―君の始まり―
それからというもの、気付けば彼女は隣にいた。それもさも、当たり前のように。
「キース!今日は何を読んでいるの?」
「…小説。」
最初はさん付けで呼ばれていたがむず痒くて止めてもらった。
それ以前に彼女と関わること自体をやめなくてはならなかったはずだが、何故だか俺はその選択肢を取らなかった。
「っ…!」
風が強く吹いた。それと同時に桜の花びらが一斉に舞い落ちる。
「あ…。」
そう言って伸びてきた彼女の白い手は、俺の髪から桜の花びらを一枚取った。
細い指で花びらを撫でると、屈託のない笑顔を向けてくる。
「桜の花びらって好き!」
「…そうか。」
そう言って今度は俺が手を伸ばす。桃色の髪に溶けてしまいそうな桜の花びらを掠め取る。
「桜は…俺も好きだ。」
「っ…わ、笑った…。」
「ん?」
「キース…笑った…初めて…笑った!」
自分が笑った自覚は遅れてやって来た。指摘されると顔が熱くなった。
「桜と同じ。」
「え…?」
ツンと頬に彼女の人差し指が当たった。
「ほっぺの色、桜と同じ…ピンク。」
そう言って彼女はまた笑った。
「キース!今日は何を読んでいるの?」
「…小説。」
最初はさん付けで呼ばれていたがむず痒くて止めてもらった。
それ以前に彼女と関わること自体をやめなくてはならなかったはずだが、何故だか俺はその選択肢を取らなかった。
「っ…!」
風が強く吹いた。それと同時に桜の花びらが一斉に舞い落ちる。
「あ…。」
そう言って伸びてきた彼女の白い手は、俺の髪から桜の花びらを一枚取った。
細い指で花びらを撫でると、屈託のない笑顔を向けてくる。
「桜の花びらって好き!」
「…そうか。」
そう言って今度は俺が手を伸ばす。桃色の髪に溶けてしまいそうな桜の花びらを掠め取る。
「桜は…俺も好きだ。」
「っ…わ、笑った…。」
「ん?」
「キース…笑った…初めて…笑った!」
自分が笑った自覚は遅れてやって来た。指摘されると顔が熱くなった。
「桜と同じ。」
「え…?」
ツンと頬に彼女の人差し指が当たった。
「ほっぺの色、桜と同じ…ピンク。」
そう言って彼女はまた笑った。