shining☆moon‐私の王子様‐


~~フレン.said~~


目が覚めたらユリアがいた。
頭がクラクラする。
気持ちわるかった。

でも、その状況は察知することができた。
俺は寝ている時、ユリアにキスをされていた。
そのことに驚きを隠せなかった。

幼い頃には何度か重ねた唇。
もちろん、ユリアとだけ。
暖かくて、柔らかくて、少しかかるユリアの甘い吐息。
俺は今でも覚えてる。
昔っから大好きだったんだから忘れる事はない。

でも、今は…。

成長したユリアの身体。
綺麗すぎる顔。
ふっくら膨らんだピンクの唇が、近くに。
目を閉じて無防備なユリアの顔が俺の顔にかぶさっていたんだ。


胸が高鳴って「何をして」なんて言ったけど本当は凄く、いや、もの凄く嬉しかった。

でも、何故かこの状況とは裏腹に、寝起きなのか、気持ちわるさが俺を乗っとる。
つい、「気持ちわるい」と呟いてしまった。
そしたらユリアがベッドから降りて隣のベッドから枕を2つ取り俺に向かって投げてきた。

「ばか」と言いユリアは部屋を出た。
目には涙を浮かべて…。


「…なにやってんだよ…俺は」

ユリアはどうして泣く?
どうしてキスした?


…俺は……。








『好きじゃねぇって言ってんだろ!!』




ズキン…―




俺の言った言葉がよみがえる。

あれは俺の言葉だ。
だけど俺自身の言葉じゃない。
あの時ちゃんと俺の気持ちを言っておけば…。


後悔と苦痛が俺の中で巡り、ユリアの涙と、笑顔と、ユリア自体の存在が俺を締め付けた。

こんなにもユリアが好きなのに。
数えきれないほどユリアを想ったのに。
俺の想いはユリアに届かない。

俺はユリアの気持ちや思っている事は読み取れる。
けど何故か“想い”までは読み取る事ができない。


「ユリア…」


俺のせいで流れた涙はどんな涙?

ベッドの上ある2つの枕を掴み抱き寄せる。
ユリアだと思い…。


大好きな人を想って枕を抱く俺って何?

フレンは枕を強く抱きしめユリアを想う。



好きなんだよ…。

ユリアが……。


< 122 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop