shining☆moon‐私の王子様‐
「何よ……。これ」
「あぁ見やすいね」
真っ暗で何も見えない。
男はクスクスと笑う。
「ここからが本番だよ。何も見えないだろ?」
ここは男にとっては有利らしい。
だが、ルイスにとっては不利な現状である。
次は僕が戦おう。
暗闇の中は大丈夫だ。
「ルイス、下がってて。次は僕が戦うよ」
「わかった」
「なになに?交換?二人同時の方がいいんじゃない?暗闇の中だから不利ですよ~」
「不利なんかじゃない」
僕は目を閉じ呟いた。
「…目顳光奇……」
視界がみるみる明るくなる。
この魔法は目の魔法だ。
暗い時よく見えるようになるという、夜行性をまねた魔法。
僕は剣を握った。
「さぁ、掛かってこい」
「余裕だねぇ。……殺しがいがあるよ!!!」
男はもうスピードで襲い掛かる。
カキンッ――…
剣と剣がぶつかった。
体重を乗せてくるからとてつもなく重い。
カキンッカキンッカンッ
何回も何回もぶつかり合う剣。
「やるじゃねぇか。………テメェ…」
「お前もな」
僕はニヤリっ笑うとぶつかっている剣を振り上げた。
すると男の剣は宙を舞い、遠くの方に飛んでいった。
僕は男の喉に剣先を突き刺す。
「思った通り……だな…」
「何がだ」
男は両手を挙げて降参と言った。
周りを明るく戻し、手を縄で縛った。
そして、思った通り、の意味を吐かした。
「僕は、サムス・ティスタント。ヴインセント・シュナイザーの手下だ。たった今ヴインセントもこの幽霊屋敷にいる」
「えっ!?あいつが!?」
ルイスが驚いた表情と不安な表情を見せる。
それもそのはず、あいつは凶悪者だからだ。
・・
昔はもっと丸かったのに……。
「で、君たちは何しに来たの?」
そうだ。
ヴインセントがここに来るのは絶対何らかの理由があるはず。
僕らを邪魔しに来たのか。
男は口を開いた。
「僕達は『零呪』の本を探しに来たんだ」