shining☆moon‐私の王子様‐
自分が入ってきたばかりのフレンを育てたのに。
自分の方が優秀だったのに。
戦ってみたい。
最初はそう思うだけだった。
そして次第にヴィンセントとフレンは中を深め、チームを結成し、若きエルランドの最強チームということで有名な雑誌に取り立てられた。
ヴィンセントもフレンはお互いにライバル心を燃やし、強さを増していった。
剣裁きを磨き、魔法力を高め、強くなっていった。
ヴィンセントは魔法力が高まり、フレンは剣裁きが見事なくらいに上手になった。
エルランド内では、「ヴィンセントの魔法に敵う者はいない」と言われ、「フレンの剣裁きに敵う者はいない」と、矛、盾の関係になっていったのだ。
だが、中がよくて有名だった二人にも限界ってものが存在した。
言い合いが多くなり、時にはチームなのにバラバラでクエストに行ったりしていた。
「ヴィンセントが居なくても、俺は一人で片付けられる」
「フレンが居なくたって余裕だし」
こうして二人はチームを解散した。
記者は相変わらずよくエルランドに行き来して取材をしていた。
取材をされるのはフレンだけだった。
雑誌に取り立てられるのもフレンだけ。
女の子にちやほやされるのもフレンだけ。
エルランドの仲間に仲良く、頼りにされるのもフレンだけ。
こんな環境にヴィンセントは耐えられなくなった。
最初は「うらやましい」だけだったのが、通り越して「憎い、ずるい、ムカつく」に変わっていった。
そして、だんだんと近づく、新人のための任命試験にヴィンセントは、
「フレン、俺たちで新人の任命試験をサポートしに行こうよ」
と、誘った。
フレンは笑顔で「いいよ」と答えた。
ヴィンセントには何らかのたくらみがあった。
任命試験会場の、ムワーダ島には言い伝えがあった。