サクラドロップス

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『・・・やっば・・・隠しページがあったんじゃん。前の魔法、ボク失敗してるし』

アタシの隣で、歩きながら例の怪しげな本を読んでいるイツキ。

『イツキ?またその本?いい加減返してこないと怒られるよ』

『・・・それともアレの場合、副作用が出るだけで魔法の効き目は変わらないのかな?でも、2番目のやり方でないと、ミユキの願いは叶わない訳で・・・』

『もう、イツキってば!!アタシの願いなんてどうだってイイってば!アタシはイツキとずっと一緒にいられたらそれでイイの!はやく帰ろう?鳥米さんのネギ間が売り切れるし!』


『女子校生が学校の帰りにネギ間・・・さすがだよミユキ。ってボクに買わせるクセになぁ・・・』

『それは「お兄ちゃん」のお役目』

『都合のイイ時ばっかりの「お兄ちゃん」でネ。了解了解。で、10秒間だけ目、瞑ってて?コレ、やっておきたい』

『・・・?また魔法?そんなの、絶対ウソだし』

『ま、やるだけネ。難しいコトないし。ほら、10秒!』

『解ったわよぉ。いーち、にーい、さーん・・・』


そう、アタシが目を閉じて数えている間に、イツキは何かをして・・・





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