サクラドロップス
「・・・だからって、何が、だからよ?」
アタシに触れるイツキの腕に、両腕を巻く。
肩を大きく上下させて泣いているアタシのことを、サクラが心配そうな顔で見て、にゃあと鳴いた。
「うん?そんなに泣いてくれるほど、ボクのこと、すきなんでしょ?」
「・・・すきよ、すきよすきよ、アタシだって・・・」
------どれだけ、アナタに、焦がれていたか。
「だから、だいすきだったボクの為に、ミユキは、生きてサ、元気な姿を見せてくれなきゃ」
「イツキがいなきゃ頑張れない。アタシは、イツキがいなきゃ幸せになんかなれないわ・・・」
そうよ、アナタは、それを知ってるから・・・アタシの記憶から、消えたクセに。
「そうして・・・また、10年前と同じように、アタシの記憶から消えるつもりなんでしょう?それがアナタの・・・」
「うん、不完全な魔法だよネ」
クスクスと、アタシが泣いているというのに、イツキは悪戯っ子のように笑っている。
10年前、イツキの死を知り、嘆き、叫び、絶望したアタシ。
いつから、イツキの記憶は消えたのだろう。
サクラが押入れにこもって出てこない・・・は、誰かから聞いた話だったのだろうか・・・
でも・・・