サクラドロップス

なのにイツキは、アタシの言葉には、触れないまま・・・


「・・・ミユキ、約束をしようか?」


と、言って、俯くアタシの顔を、もう一度優しく両手で包み込んだ。

「やく、そく・・・?」

アタシは、おずおずとイツキの瞳を覗き込む。

するとイツキは、アタシの耳元に唇を寄せて・・・


『10年後、もし君がボクのことを覚えていたら------』


と、小さな声で囁き。


「・・・守るから、必ず」


と、言って、優しい微笑みを見せた。


「イツキ?それは・・・」

アタシの涙は、一度止まる。

「あと、そうだ・・・コタツの上にボクの財布あったでしょ?あれさ、編入先でアパート借りるのに貯めてた、30万。実家のボクの机にそのまま残ってた。あれで買い物行って
たんだけどサ、まだほとんど残ってるから」

「・・・・・・」

「ミユキが『思い出したら』お母さんとアユミ連れて、温泉でも行っておいで。ミユキの肩こりはお母さんゆずりだからネ。2人とも首細いし。たまには家族サービス、しといてよ、ボクにはもう無理だし」


そう言うイツキの表情に、翳りはない。


けれどアタシは・・・・・・



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