サクラドロップス
「・・・」
黙ったまま、返事をする事が出来ない。
「あとアユミに春物の靴、買ってあげて?欲しがってたし」
「・・・」
「それとサクラに新しい爪とぎと・・・」
「・・・」
「豆柴にちょい贅沢なドックフードでもって・・・ミユキ?怒ってんの?」
「怒ってない!」
怒ってなんかない。でも・・・
「ああ、そっか。怒ってるんじゃなくて、拗ねてるのか。拗ねてるのと、だいすきなボクと別れるのが辛いんだよね。相変わらず可愛いよネ、このひとは」
アタシのことはお見通し。そんな顔で、イツキは笑うと
一度、舞い落ちる桜の花びらと、サクラに視線を向け
それから・・・
「モノじゃなく、コトバじゃなく」
と、言って、アタシの右手を取ると
「この、胸の中の想いは、全部君に置いていく」
と、悪戯な目をアタシに向けて、その手を自分の左の胸へと押し当てた。