恋のはじめ
藤堂の暴走を止めるにはこれしかなかったのだ。
咲希は、声を被せてその先の言葉を阻止した。
「と、藤堂さん!!ちょっとあっちで話ませんか!?」
なんせ今は周りに一番組隊士が勢ぞろいな上、沖田だっている。
今更その状況に気付いた藤堂は声にならない声を出し、全身で驚きを表した。
沖田が不審そうに見守る中、藤堂と屯所裏まで走った。
2人で息切れしながら、周りに誰も居ないことを確認する。
「と、藤堂さんっしっかりして下さい。言わないって言ってくれたのは嬉しいんですけど、すぐアレですか・・・」
「ごめん。わざとじゃないんだって。もし俺がまた今度口滑らせそうになったら全力で止めて」
「え・・・・・」
秘密、守る気ありますか・・・?
なんて言うツッコミが咲希の頭ですぐさま横切った。
「でも、本当にいいんですか?」