恋のはじめ
そして先行く沖田の背中を睨み、言われた通り支度を始めた。
「あ、咲希!明日こそ早朝稽古しような!!」
部屋に戻ると、室が浅葱色の羽織に腕を通しながら早速そう言った。
「あ、あぁ・・・はい」
考え事をしていたせいか、段々と小さくなる声。
そういや、隊服持ってない。
咲希はとりあえず沖田の部屋へと向かった。
あまり行く気はしないが、組長だから仕方が無い。
頼らなくては何も出来ない自分が悔しかった。