蒼の王国〜金の姫の腕輪〜
‡〜厄介事〜‡

奥の部屋から大分時間をかけて戻って来たラダは、山のように服を抱えて持ってきた。

「おらよっ」
「っ何ですか?!」
〔みみみ〜ぃ《うもれる〜》〕
「どうしたんです?これ?」
「お前用の服だ。
今のサイズだろ」
「いや…まぁ合いそうですが…なぜこんなに…?」
「お前がこちらへ来るとするなら、これくらいの服が着れる年齢になってからだと思って、用意しておいた。
ざっと二百年分だ。
使え」
「…サイズの予想は見事ですけど…いりません…」
「必ず着ろっ!」
「…っはい…」

全部でざっと見ても百着以上。
着やすそうな服もあるが、いかにも夜会用の派手なドレスも混じっている。
一度は袖を通して見せないと、グチグチと言われる…。
それはもうず〜っと…グチグチ、ネチネチ…。
重いため息を吐いて、とりあえず服から話をそらそうと考えた。

「ラダ」
「全部着ろよ」
「…わかりましたから…それより、仕事とは何ですか?」
「ああ…。
お前、城の大広間にあった金の腕輪を覚えてるか?」
「大広間…。
金の…青と赤、それと黒の石のはまった…確か”クライネル国”の国宝だった…”金の姫の腕輪”の事ですか?」
「…さすがによく覚えているな…。
その金の腕輪を探している」
「?城跡にないのですか?
誰かが保有しているので?」
「あぁ、情報によると、持ってるヤツがちょっと厄介でな…。
…よりにもよって北の”魔女”らしいんだ…」
「…まだご健在なんですね…」
〔みみぅみみ《とってもげんき》〕
「しぶといババァだぜ…」



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