弟矢 ―四神剣伝説―
新蔵たちは、宿場に残った蚩尤軍兵士を全員叩き伏せ、急いで門を開けさせた。

しかし、そんな彼らが目にした光景は、まさに、今にも弓月が『青龍二の剣』を抜こうかという時……。

そして、実際に刀を抜いたのは、乙矢であった。




ダンッ!

新蔵が乙矢の襟首を掴み岩壁に叩きつけた。


一行は海側に逃げると見せかけ、反対側の山に駆け込んでいた。追っ手は撒いたように思える。ホッとした瞬間、新蔵の怒りが爆発した。


「よくも騙してくれたなっ! 腑抜けの芝居は楽しかったか? ええぇ、一矢殿っ!」

「ち、がう……おれ、は、ほんと……に」


首を絞められていては言い訳もできない。


「止めなさい、新蔵……手を離すのだ!」


まさに、怒髪天を衝くといった様相で、弓月にも止められない。


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