弟矢 ―四神剣伝説―
「いいえっ! 何ゆえ、許婚たる弓月様までも謀り、一年もの間逃げ回っているのか! 理由を聞かぬことには引けませぬ!」
新蔵は乙矢を絞め殺さん勢いだ。
「おいおい、新蔵……首を絞めてちゃ理由なんぞ聞けんだろうが。ひとまず放して差し上げろ」
相変わらず軽口で正三が言う。
さすがに、その点は納得したのか、パッと手を放した。乙矢は、そのまま下に落ちる。まさに、踏んだり蹴ったりだ。
「さあ、言えっ! 納得のいく答えを聞かせてみろ!」
噛み付かんばかりに怒鳴り立てる新蔵に、乙矢は、
「何度聞かれても、俺は一矢じゃない! 聞きたいのは俺のほうだ! おい、凪先生、あんたなんであんなこと言ったんだ!?」
「ふざけるな! あの剣捌きは間違いなく爾志流の太刀筋。一年前に、道場で竹刀を合わせたこの俺を騙せると思うな!」
「し、真剣を抜いたのは、初めてだ。人を……人を斬ったのも。誰も、殺したくなかった……それなのに」
新蔵は乙矢を絞め殺さん勢いだ。
「おいおい、新蔵……首を絞めてちゃ理由なんぞ聞けんだろうが。ひとまず放して差し上げろ」
相変わらず軽口で正三が言う。
さすがに、その点は納得したのか、パッと手を放した。乙矢は、そのまま下に落ちる。まさに、踏んだり蹴ったりだ。
「さあ、言えっ! 納得のいく答えを聞かせてみろ!」
噛み付かんばかりに怒鳴り立てる新蔵に、乙矢は、
「何度聞かれても、俺は一矢じゃない! 聞きたいのは俺のほうだ! おい、凪先生、あんたなんであんなこと言ったんだ!?」
「ふざけるな! あの剣捌きは間違いなく爾志流の太刀筋。一年前に、道場で竹刀を合わせたこの俺を騙せると思うな!」
「し、真剣を抜いたのは、初めてだ。人を……人を斬ったのも。誰も、殺したくなかった……それなのに」