ハッピークライシス









フィリップ=フェデリコ
若く美しい殺し屋の女と、巨大な秘密結社から命を狙われた不運な男。

フェデリコとは、政治界において非常に名高い家柄と聞く。
サラブレットの血筋は絶大な権力と財力を持ち、フィリップ自身も、若い頃より与党第一党に名を連ねていた。裏では、マフィア顔負けのアクドイことにも手を染めてきたらしいが。


―それにしても、ダサいネクタイだな…。

退屈の極みにあったユエは、欠伸を噛み殺しながらぼんやりとそんなことを思った。
ジェイドという青年実業家の性癖をシンシアがカモフラージュしたいが為に連れてこられたパーティだ。

自分にとって面白いことなど何一つない。
シンシアもシホもすっかり仕事モードで、ちょっかいを出せば後でうるさく言われるのは目に見えている。

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