ハッピークライシス


シンシアの言葉に、ユエは自然と目を見開いていた。
沈黙が数秒続く。


『よく知っているだろう、俺も』

『……』

『エルダナのヘイスラーホテル地下にバーがある。そこに21時に来てくれ』


ユエの返答を待たず、ブチリと一方的に通話が途切れた。
ツーツーと音を立てる携帯に目を落とす。

シンシアには、ユエが一部の記憶を失ったことについてシホからしっかりと報告が上げられていた。

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