ハッピークライシス
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セオ=カルタの胸元につけられた議員バッチのカメラ越しに、シンシアは息を呑んで様子を窺っていた。
―なんだ、この展開は?
妙な胸騒ぎがした。
セオは、促されるままソファに座ったようだ。カメラの視線が低くなり、ノートパソコンに映し出されたモノクロの画面いっぱいに少女の顔が写る。まるで能面のように無表情だ。
可愛らしいが、どこにでもいるような平凡な少女。
この歳で、娼婦まがいのことをさせられているのか?初めはそんなことも考えたが、それもどうやら違うようだ。
マイクからは、掠れるような言葉にならない声が聞こえる。
彼女は、話すことが出来ないらしい。シンシアは、画面を食い入るように見ながら、その唇の動きを読む。