ハッピークライシス
リサ=フェデリコに手を引かれて現れたのは、ひとりの少女だった。
腰まで伸びた亜麻色の髪と深いエメラルドグリーンの瞳が印象的な可愛らしい子供。純白のレースで編まれたドレスを身に纏い、まるで天使のようだと思った。
「この子は、」
フィリップ=フェデリコには4人の子供がいると知っていたが、いずれも成人しているはずだ。この子は孫か何かだろうか。
「もうひとつのプレゼントだよ」
フィリップの言葉の意が理解しかねて、ただまじまじと子供を見る。
年齢は10歳前後か。まるでビスクドールみたいに整った顔立ちで、何も感情をうつさないガラス玉の大きな目がジッとセオを見上げている。
「あなたの、お孫さんですか」
「いいや、私のコレクションのひとつだ」
「…コレクション?」
「コレは、実に不思議でいて便利な子供だ。使い方を見せてやろう」
フェデリコは、そう言ってニヤリと笑った。