ハッピークライシス



確かに、少女はそう口にした。
セオはただジッと彼女を見つめている。画面の先は動くことなく一定だ。



『あなたに、祝福を』



少女がセオにほぼゼロの距離まで近づいた為に、レンズはレースの洋服に隠され、画面は真黒に覆われて先が見えない。

ドクドクと、自身の心臓の音が耳に煩い。

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