ハッピークライシス



ぞくぞくと粟立つ肌。自然と腰が浮き立ってしまう。
ゆっくりとシホから指を抜き、器用に片手でドレスのファスナーを引いて身体を纏う布を脱がす。乳房を揉みしだき、押し潰すように擦っていた部分を小さく引っ掻いた。

白磁の肌は蒸気で赤く染まり、ピンと伸びたつま先は止め処なく湧き上がる快楽に小刻みに震える。


「ああ…ふっ、ァ!」

「気持良い?シホ」

「そんなこと、…聞くな、馬鹿!」


卑らしい音。互いが持て余す熱を熱で溶かすだけの行為に耽るのは、これが初めてではない。ユエは意地悪で、シホがひとりイくのを許してくれない。激しい波が何度も何度も押し寄せて、もう限界だと思った。


生理的な涙が浮かぶ。

苦しみの中でユエを見上げる。頬が少し汗で湿っている。けれど、乱れはない。ただ笑みを深めるだけ。

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