この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 「継母上。非常呼集です。とうとう出陣の時がきました。

 我々 白虎士中二番隊は、宰相(容保)さまの護衛兵として、滝沢本陣まで従軍することになりました。

 集合は正午となっておりますが、ぐずぐずしてはおられません。

 次の家に回章文を届けたらすぐに支度しますので、準備をお願いします」



 そうおっしゃって、兄さまはそのまま下駄を履いて出てゆかれた。



 「私も支度があるので、これにて」



 俊彦さまも深々お辞儀してから、私を一瞥する。



 「ご苦労様にございます」



 私と母さまも深々と頭を下げた。

 俊彦さまは頷かれるとすぐ兄さまの後を追うように駆け出してゆく。



 ――――とうとう来たんだ。とうとう、その時が。



 手が震えていた。
 気持ちを抑えるように、両手を握りしめる。

 母さまはおふたりを見送ったあと私を振り返り、震えるその手に自分の両手を重ね、ギュッと包み込んでくれた。



 「さあ、準備をしましょう!けして不備があってはならないわ!」



 励ますように大きく声をかけると、母さまは奥へと早足で向かわれた。


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