この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 「―――っ!!」



 自身の想いを指摘され、雄治はさらにうろたえて俺から目をそらす。


 とうの昔にわかっていた。
 ふたりは惹かれあってると。


 ゆきだけじゃない。雄治、お前だって。
 いつもいつも足の悪いゆきのことを気にかけていたじゃないか……!



 「たとえゆきを拒んだとしても、後悔するのは貴様のほうだ!
 それに俺はもうゆきと会うことはない!そんな言葉、二度と口にするな!!」



 蔑んだ目で言い放ち、雄治の胸元から乱暴に手を放すと、後ろを振り返ることなく陣へと戻った。

 ただただ、腹が立っていた。

 雷鳴が俺の怒りを表すかのように、天で猛々に鳴り響いていた。



 陣に戻ると、何事もなかったように皆の談笑の中に混じる。

 俊彦が心配の目を向けてきたが、「大丈夫だ」と目で伝えて頷いておいた。


 後から雄治が戻ってきたのを確認するものの、俺はけして奴に近づこうとはしなかった。



 「……おい、見てみろよ。八十治のヤツ、居眠りしてやがる」

 「肝がすわってんなあ。俺なんかこの状況で、とても眠ってなんかいられないよ」

 「それに見ろよ、あいつ銃口に指を詰めてるぞ。雨水が入らないよう塞いでるんだ。
 そんな状態で寝れるなんて、器用なやつだな!」



 仲間からそんな声が聞こえてくる。

 でも実は、狸寝入りをしているだけだった。

 眠ったふりをしていれば、あいつの顔を見なくて済むから。



 ………滅多にしたことのない喧嘩だった。

 まさかこの状況で、こんなことになろうとは。



< 366 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop