この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 仕方なく掃除を済ませ、庭でひとり 手鞠で遊んだり、花を摘んで蜜を吸ったりしていると、兄さまのお仲間達がうちへやってきて、座敷にぞろぞろと集まって参りました。


 恥ずかしくて 鞠を手に、サツキの淡い桃色の中へと隠れたのだけれど。



 「あれ?おい 八十治、あの子誰だ?」



 降りかかるその声に、思わず ドキッとして、私はおずおずと顔を覗かせて、ぺこりと頭を下げました。


 見上げると、見知らぬ男の子が私に指をさし、となりにいた兄さまも驚いたようなお顔をこちらに向けております。



 「ああ……。妹だよ」

 「妹?お前 妹なんていたか?」

 「つい最近できた。新しい継母上が来たんだ。妹は その連れ子」

 「ああ そうか。お前は昨年、母上を亡くされたのだったな」



 そう言われた兄さまは、困ったように瞳を揺らして笑われるだけ。



 「俺もだ。本当の母は早くに病で亡くなった。お互いつらいな」



 その男の子も、淋しく笑みをこぼして言いました。


 けれど 私は、兄さまのそのお顔を見ると、胸がツキンと痛むのを感じるのでした。



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