この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 私は『什のお話』を、実際に見るのは 初めて。



 はしたないと思いつつも、好奇心には勝てず、そのまま庭の端の大きな濃桃のサツキの陰に隠れて、障子の開け放たれた座敷の中の様子を覗くことにした。



 お仲間達が全員集まると、皆さまは円を描くようにして座りました。
 母さまが、人数分のお水を出してもてなします。


 夏は水。冬は白湯。


 それしか出してはならないと、決められているそうです。



 「おい。今日の座長は誰だ?」

 「俊彦(としひこ)、お前の番じゃないのか?」



 俊彦と呼ばれた男の子は、先ほど兄さまと話されていたお方。

 美少年だわ、と 思った。

 色白で、スラリと鼻筋が通ってて。背も高くていらっしゃる。



 俊彦さまは「ああ」と頷いて、ゴホンと咳払いしてから、涼やかな声を張り上げました。



 「それでは『お話』を始めます。まずは 掟の唱和を」



 「?」と 見ていると、いきなり大音声が聞こえてきて、驚いた私は思わず肩をすくめた。


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