この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 手のひらにのせたお饅頭を、食べようか迷っていると、



 「ただいま戻りました!!」



 玄関から、大きな声が聞こえてきた。



 「雄治だ!」



 さき子さまは食べかけのお饅頭を、あわてて口の中へと詰め込む。



 「母上!おられないのですか?」



 声はどんどん、こちらに近づいてきた。



 「こちらですよ」



 その声に向かってくら子さまが声をあげると、廊下をどかどかと渡ってくる、男の子の姿が見えてくる。


 兄さまのご友人の、雄治さま。


 (……どんなお方かしら?)


 ドキドキしながらつい、来るのを待ってしまう。


 けれど、目の前に現れた、その方は―――。



 「―――利勝さま!!?」



 思わず、私は叫んでいた。



 くら子さま、さき子さま。

 そして利勝さまが、

 そろってよく似た大きな瞳を、パチクリさせて私を見る。



 「―――お前…っ!? なんでここにいるんだ!?」



 声を荒らげて、利勝さまはおっしゃった。


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