この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜
 


本来なら『什の掟』に背いた者には、罰が与えられます。



一番軽い罰は「無念をたてる」ことです。
これは、自分の落ち度を皆さまの前でお詫びし、二度としないという誓いをたてることをいいます。


少し重い罰は「しっぺい」です。
手の甲を皆さまから打たれるのです。


その次に重いのは「炙り」。
火鉢の上に手をかざして、熱くなっても我慢しなければなりません。


そして 一番重い罰は「派切れ」です。
これは 仲間はずれにされて、一緒に遊べなくなります。

自宅で謹慎・反省し、改心の情が表れた時に、やっとお仲間の皆さまに許してもらえるという、きびしい罰でした。



すべては『主君と国に忠義を尽くす、立派な武士となるため』。



会津藩は、そういった人材の育成に、力を入れていたのです。



「君に忠」、「父母に孝」という教えを、兄さま達だけでなく、私も小さい頃から叩き込まれて育ちました。


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