魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
ゼブルに攫われて捕らえられてから2ケ月――
ラスは自身の身体の変化に、とうとう気付いてしまった。
「私の手…身体…なんだかおかしいと思わない?」
「え…っ?そんなこと…ないと思うけど…」
ラスに会うために集まる動物の数は日に日に多くなり、翼を持つ水鳥たちの口コミによってあちこちから集まるようになっていた。
いつものように湖の前にある小さな花畑に座って自身の両手を見つめていたラスは、皺だらけになってかさかさになった肌を見て、病気になったのかと思い、立ち上がろうとしてよろけた。
「大丈夫?無理しない方がいいよ」
「豚さん…私、なんかおかしいよね?確かめなくちゃ」
よろけながらもなんとか立ち上がったラスは固唾を呑んで見守る動物たちの前で着ていた白いワンピースを脱ぎ、同じように張りのない身体を見下ろして確信する。
『お前に老いる魔法をかけてやる』
ゼブルがそう言っていたこと――本当にその魔法をかけられてしまったのだ、と思うと脚が竦み、這うようにして湖の前でしゃがんだラスは、湖面に映る自身の顔を見つめた。
ゆらゆら揺れながら映ったのは――70~80代前後と思われる老婆の顔――
「きゃ…きゃぁーーーっ!」
「お、お嬢さん、落ち着いて!大丈夫だから!落ち着いて!」
「私…私…おばあさんになっちゃったの…!?こんなんじゃ…コーに見つけてもらえない!どうしよう…私…死んじゃうの…!?」
「君が不死なら死なないはずだから!ちょっと落ち着いて深呼吸しよ?」
――死ぬことはないかもしれないけれど、これ以上しわしわになって枯れ枝のようになって…ミイラのようになっても生きていかなければならないのだろうか?
動けなくなって、それでも生きるのか?
そんな生を望んでいたわけじゃないのに。
ただコハクと一緒に生きたくて――
「コー…まだ会いに来てくれない…。これ以上歳を取ったら私…」
「お嬢さん、僕たちの計画は実を結び始めてるから。山を下りた所にある村の住人がこの山を上ろうか相談してるんだ。だからもうちょっと我慢して。ね?」
泣き崩れるラスを慰めようと動物たちはあたたかい身体を寄せて励ましたが――ラスは両手で顔を覆って悲しんでいる。
だが動物たちの一大プロジェクトは、着実に大きな波及効果を生み出していた。
ラスは自身の身体の変化に、とうとう気付いてしまった。
「私の手…身体…なんだかおかしいと思わない?」
「え…っ?そんなこと…ないと思うけど…」
ラスに会うために集まる動物の数は日に日に多くなり、翼を持つ水鳥たちの口コミによってあちこちから集まるようになっていた。
いつものように湖の前にある小さな花畑に座って自身の両手を見つめていたラスは、皺だらけになってかさかさになった肌を見て、病気になったのかと思い、立ち上がろうとしてよろけた。
「大丈夫?無理しない方がいいよ」
「豚さん…私、なんかおかしいよね?確かめなくちゃ」
よろけながらもなんとか立ち上がったラスは固唾を呑んで見守る動物たちの前で着ていた白いワンピースを脱ぎ、同じように張りのない身体を見下ろして確信する。
『お前に老いる魔法をかけてやる』
ゼブルがそう言っていたこと――本当にその魔法をかけられてしまったのだ、と思うと脚が竦み、這うようにして湖の前でしゃがんだラスは、湖面に映る自身の顔を見つめた。
ゆらゆら揺れながら映ったのは――70~80代前後と思われる老婆の顔――
「きゃ…きゃぁーーーっ!」
「お、お嬢さん、落ち着いて!大丈夫だから!落ち着いて!」
「私…私…おばあさんになっちゃったの…!?こんなんじゃ…コーに見つけてもらえない!どうしよう…私…死んじゃうの…!?」
「君が不死なら死なないはずだから!ちょっと落ち着いて深呼吸しよ?」
――死ぬことはないかもしれないけれど、これ以上しわしわになって枯れ枝のようになって…ミイラのようになっても生きていかなければならないのだろうか?
動けなくなって、それでも生きるのか?
そんな生を望んでいたわけじゃないのに。
ただコハクと一緒に生きたくて――
「コー…まだ会いに来てくれない…。これ以上歳を取ったら私…」
「お嬢さん、僕たちの計画は実を結び始めてるから。山を下りた所にある村の住人がこの山を上ろうか相談してるんだ。だからもうちょっと我慢して。ね?」
泣き崩れるラスを慰めようと動物たちはあたたかい身体を寄せて励ましたが――ラスは両手で顔を覆って悲しんでいる。
だが動物たちの一大プロジェクトは、着実に大きな波及効果を生み出していた。