魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
声を出そうとしても支えてもらって起き上がるのが限界――
ここへ来てから2ケ月以上が経って、蝋燭のストックも無くなって暗くなったら寝るだけの生活――
その前に動物たちが持って来てくれる木の実や魚をなんとか食べてきたけれど…身体は老いてゆくばかりで、もう限界だった。
生きてはいるが、死んでいる状態――それが、今の私。
「大丈夫ですか!?ああ、動かすのもきっと駄目だ…。何故こんな所にひとりで?」
問われても目は霞み、声は枯れて喉からはひゅーひゅーという音しか出ない。
山を下りたところにある村から来たと説明してくれた男たちは、所持していた蝋燭に火を燈してあたたかいスープを作ってくれた。
その間動物たちは家に上り込み、ラスを守るようにしてベッドの回りに集まって男たちの一挙手一投足を見守っていた。
「俺が背負って村まで……でもこの状態じゃ…」
少し力を込めれば籠めれば折れてしまいそうなほどに細い手足。
若い頃は美しい女だったのだろうと思わせる緑の瞳と艶のない金髪のラスは、久々に人と会えて嬉しくて声を出そうとしたが、ここ数日声を出していないせいか喉もやられていた。
男たちは山から木を切りだしてきて暖炉に火を入れて温めたり家の周囲に松明を置いてくれたりして周囲を明るくしてくれる。
お礼を言いたいのに言えなくてもどかしい思いばかりが募るラスは、震える指で介抱してくれる村長の腕を握った。
「おばあさん、あなたをここから動かすのは難しそうだ。チーズや肉を置いて行くから体力をつけて下さい。その間に俺たちは山を下って応援を呼んで来るからあなたは動かずに待っていて」
「……あ……う……」
「大丈夫、絶対戻って来ますから。…動物たちはあなたのことを知らせたかったんですね?不思議な人だ」
――再び村へ戻ると言った男たちの言葉を受けて、動物たちは彼らが迷わないようにまた自らが道標となって家を出て行く。
ずっとラスの傍に居た豚と真っ白なウサギは残り、何度も何度もラスに呼びかけた。
『きっとこれで大丈夫だから。村の人たちがきっとどうにかしてくれるから…』
老いて立つことさえ困難になってきたラス――
だが彼らの不安をよそに、事は急展開を見せることとなる。
ここへ来てから2ケ月以上が経って、蝋燭のストックも無くなって暗くなったら寝るだけの生活――
その前に動物たちが持って来てくれる木の実や魚をなんとか食べてきたけれど…身体は老いてゆくばかりで、もう限界だった。
生きてはいるが、死んでいる状態――それが、今の私。
「大丈夫ですか!?ああ、動かすのもきっと駄目だ…。何故こんな所にひとりで?」
問われても目は霞み、声は枯れて喉からはひゅーひゅーという音しか出ない。
山を下りたところにある村から来たと説明してくれた男たちは、所持していた蝋燭に火を燈してあたたかいスープを作ってくれた。
その間動物たちは家に上り込み、ラスを守るようにしてベッドの回りに集まって男たちの一挙手一投足を見守っていた。
「俺が背負って村まで……でもこの状態じゃ…」
少し力を込めれば籠めれば折れてしまいそうなほどに細い手足。
若い頃は美しい女だったのだろうと思わせる緑の瞳と艶のない金髪のラスは、久々に人と会えて嬉しくて声を出そうとしたが、ここ数日声を出していないせいか喉もやられていた。
男たちは山から木を切りだしてきて暖炉に火を入れて温めたり家の周囲に松明を置いてくれたりして周囲を明るくしてくれる。
お礼を言いたいのに言えなくてもどかしい思いばかりが募るラスは、震える指で介抱してくれる村長の腕を握った。
「おばあさん、あなたをここから動かすのは難しそうだ。チーズや肉を置いて行くから体力をつけて下さい。その間に俺たちは山を下って応援を呼んで来るからあなたは動かずに待っていて」
「……あ……う……」
「大丈夫、絶対戻って来ますから。…動物たちはあなたのことを知らせたかったんですね?不思議な人だ」
――再び村へ戻ると言った男たちの言葉を受けて、動物たちは彼らが迷わないようにまた自らが道標となって家を出て行く。
ずっとラスの傍に居た豚と真っ白なウサギは残り、何度も何度もラスに呼びかけた。
『きっとこれで大丈夫だから。村の人たちがきっとどうにかしてくれるから…』
老いて立つことさえ困難になってきたラス――
だが彼らの不安をよそに、事は急展開を見せることとなる。