魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
最初からブレアは得意ではなかった。
いつも心のどこかでコハクは自分のものだという意識があったからなのだろうかと今は思えるが――あの時は本当に本当に……
「いらっしゃい。またまた数年ぶりの再会になったわね」
「よう、ブレア。うちの連中が旅のついでに寄りたいって言うからさ」
相変わらず小さな家にひとりで住んでいるブレアはまたもやこちらが来るのを知っていたのか、軒先で出迎えてくれたが、態度は相変わらず横柄だ。
銀色の長い髪と銀色の瞳――ばっちり化粧をして腕を組み、その腕の上に大きな胸が乗っかっている。
妖しい雰囲気を醸し出している女は魔女の家系に生まれ、代々この地に住んでいた。
「そのあなたそっくりの小さなおチビさんはまさか……」
「そ、俺とチビのベビーってわけ。ちなみにー2人目はまだチビん中だけどな」
「……そう…」
何やら背筋を震わせるようなぞわっとした空気が流れると、デスとリロイがイデアの前にずいっと進み出た。
イデアはリロイを知ってはいるが…デスは初見だ。
だが全身を包み込む真っ黒なローブとローブの袖から少しだけ出ている骨の指…それを見た時ブレアの銀の瞳は大きく見開かれた。
「あなた…死神…!?」
「……」
「ひとりしか居ないと言われている死神なの!?驚いたわ…本当に存在しているなんて…」
「ま、そいつのことはいいから中に入れてくれよ。長居はしねえからさ」
――ラスは笑顔を忘れないようにと努めた。
コハクに肩を抱かれて脇を通り過ぎる時ものすごい眼力で睨まれたが、自分が反応するよりも先に抱っこしていたルゥが唇を突き出して睨んでくれたので、笑ってしまう。
「今度毒なんか出すとマジで許さねえからな。それにお前…老けたな」
「うるさいわね、私はれっきとした人間なの。…おチビさんは違うようだけど。はじめてここに来た時と全然変わってないじゃない」
「俺が不死の魔法をかけたんだ。俺とチビはずーっと一緒ってわけ」
相変わらずラスにべた惚れのコハクの様子にブレアの苛立ちは募ったが――それよりも、目深に被ったフードの奥から明らかにこちらを監視している死神の様子が気にかかった。
「…何?私に興味でもあるのかしら?遊んであげてもいいわよ」
「………」
相変わらずの無言。
ブレアは背中に冷や汗が伝うのを感じながら素知らぬふりをしてお茶の用意を進めた。
いつも心のどこかでコハクは自分のものだという意識があったからなのだろうかと今は思えるが――あの時は本当に本当に……
「いらっしゃい。またまた数年ぶりの再会になったわね」
「よう、ブレア。うちの連中が旅のついでに寄りたいって言うからさ」
相変わらず小さな家にひとりで住んでいるブレアはまたもやこちらが来るのを知っていたのか、軒先で出迎えてくれたが、態度は相変わらず横柄だ。
銀色の長い髪と銀色の瞳――ばっちり化粧をして腕を組み、その腕の上に大きな胸が乗っかっている。
妖しい雰囲気を醸し出している女は魔女の家系に生まれ、代々この地に住んでいた。
「そのあなたそっくりの小さなおチビさんはまさか……」
「そ、俺とチビのベビーってわけ。ちなみにー2人目はまだチビん中だけどな」
「……そう…」
何やら背筋を震わせるようなぞわっとした空気が流れると、デスとリロイがイデアの前にずいっと進み出た。
イデアはリロイを知ってはいるが…デスは初見だ。
だが全身を包み込む真っ黒なローブとローブの袖から少しだけ出ている骨の指…それを見た時ブレアの銀の瞳は大きく見開かれた。
「あなた…死神…!?」
「……」
「ひとりしか居ないと言われている死神なの!?驚いたわ…本当に存在しているなんて…」
「ま、そいつのことはいいから中に入れてくれよ。長居はしねえからさ」
――ラスは笑顔を忘れないようにと努めた。
コハクに肩を抱かれて脇を通り過ぎる時ものすごい眼力で睨まれたが、自分が反応するよりも先に抱っこしていたルゥが唇を突き出して睨んでくれたので、笑ってしまう。
「今度毒なんか出すとマジで許さねえからな。それにお前…老けたな」
「うるさいわね、私はれっきとした人間なの。…おチビさんは違うようだけど。はじめてここに来た時と全然変わってないじゃない」
「俺が不死の魔法をかけたんだ。俺とチビはずーっと一緒ってわけ」
相変わらずラスにべた惚れのコハクの様子にブレアの苛立ちは募ったが――それよりも、目深に被ったフードの奥から明らかにこちらを監視している死神の様子が気にかかった。
「…何?私に興味でもあるのかしら?遊んであげてもいいわよ」
「………」
相変わらずの無言。
ブレアは背中に冷や汗が伝うのを感じながら素知らぬふりをしてお茶の用意を進めた。